田園調布雙葉学園カトリックセンター「愛の泉」
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けさのみことば ~こどもとともに~2025.10.7


2025.10.7
「さあ、出かけてお父さんのところへ行こう。」

ルカ15章18節


 この前のお話を覚えていますか。
 お父さんからお金をもらって遠い国へ行き、好き勝手なことをしていた弟息子。
 間もなく、お金を使い果たし、その上、飢饉に見舞われて、毎日の生活にも困るようになってしまったのでしたね。
 その後、弟息子は、その地方の地主さんのところに行き、「どうぞ働かせてください」と頼みました。
 地主さんは「畑で豚の世話をするなら働かせてやる」と言いました。
 豚はユダヤ人にとって清くない生き物とされ、豚肉を食べることも禁じられていました。ですから、豚の世話という仕事はユダヤ人にとって一番恥ずかしい仕事でした。けれでも仕方ありません。
 弟息子は、豚の世話をしながら思いました。「ああ、おなかが空いて死にそうだ。この豚のえさでもいいから食べたいなあ」豚のえさは、いなご豆という豆で、人間の食べるものではありません。たとえ無理をして食べたとしても、そのことがご主人様に伝われば、叱られて、すぐ追い出されてしまうでしょう。
 おなかが空き、一人ぼっちで淋しく、つらい毎日。目的も希望もなく、時間が過ぎていくだけの毎日を弟息子は過ごしていきます。
 そんなある日、弟息子は、はっと気づきました。「お父さんの所にはたくさんの雇い人がいる。それでもお父さんは、全ての雇い人に十分食べさせている。それなのに、お父さんの子どもである自分はここで飢え死にしようとしているのだ。そうだ。ここを出て、お父さんの所に行こう。そして、こう言おう。お父さん、私は天に対しても、あなたに対しても、悪いことをしました。もうあなたの子と呼ばれる資格はありません。どうか、あなたの雇い人の一人にしてください」
 そう決心して、出かけた弟息子ですが、歩きながら、いろいろなことを考えてしまいます。
「お父さんは怒っているだろうなあ。もう私のことなんか忘れてしまったかもしれない。私のわがままを許してくれるだろうか。きっと許してはくれないだろう。だから、もうお父さんなんて呼ぶわけにはいかないだろうなあ。それに、服はボロボロ、やせ細ってしまったこんな姿をお父さんに見せるのも恥ずかしいなあ。やっぱり行くのはやめようかな。」
 何度もくじけそうになりながらも、弟息子は「でも、今のままなら、死んでしまうだろう。お父さんの所しか行くところはないんだ。」と思い直して、勇気を振り絞り、お父さんが住む家へと向かいます。そして、ようやく、家の近くへに着きました。
 弟息子は思います。「ああ、もうすぐ遠くの方に、なつかしい家が見えてくるだろう。近づくのは嬉しいけれど、やっぱり怖いなあ・・」
 さて、どうなるのでしょう。
 今日はここまで、続きはこの次です。楽しみにしていてくださいね。


けさのみことば ~こどもとともに~

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