けさのみことば ~こどもとともに~2022.10.4

2022.10.4
「羊は羊飼いの声を知っている」
(門番は羊飼いには門を開き、羊はその声を聞き分ける。羊飼いは自分の羊の名を呼んで連れ出す。自分の羊をすべて連れ出すと、先頭に立っていく。羊はその声を知っているので、ついて行く。ヨハネ 10・3~4)
この前のお話を覚えていますか。
イエス様は「良い羊飼い」というお話でした。
羊飼いは、夜は羊を囲いへと導きます。そして、長い竿を持って、囲いの入口をふさぎ、羊が一匹一匹、囲いに入っていくようにします。羊が入口を通るとき、羊飼いは怪我をしていないか、元気でいるか、素早く、一匹一匹の羊を目で調べます。そして、自分の羊がみんないるかどうかを確認するのです。羊たちは、その囲いの中でほかの羊飼いの群れと一緒に夜を過ごすのでしたね。
朝になると、羊飼いたちは囲いの入口に立って、自分の羊の名前を呼びます。羊の名前はたいてい、「黒耳」とか「栗毛足」とか、その羊の色や形から名付けられていました。羊たちは、名前を呼ばれれば、誰にでもついて行く、というわけではありません。不思議なことに、羊たちは自分の羊飼いの声を聞き分けるのです。もちろん人間の言葉が分かるわけではありませんから、羊たちが聞き分けているのは、一人ひとりの羊飼いの声の違いかもしれません。でも、先生はそれだけではないと思うのです。今日のみ言葉にあるように「羊は羊飼いの声を知っている」のでしょう。
「知っている」という言葉には、二つの意味があると先生は思います。
一つ目は、「芸能人の 〇〇さんを知っていますか」というときの「知っている」です。会ったことがなくても、名前とか顔、体つき、どんなことをしているのか・・・。テレビで観たことがあれば、皆さんは「知っている」というでしょう。知識としての「知っている」です。
もう一つは、同じ学年の〇〇さんを知っていますか」というときの「知っている」です。実際に会ったことがあり、一緒にいろいろなことをして、関わりがある場合、わたしたちは「知っています」と答えます。顔と名前くらいしか知らなければ、わたしたちは「よく知りません」と答えるでしょう。その人との交わりの中で、その人がどんな人なのか、どんな思いを持っているのか、そういったことを感じられる、親しい関わりがあるとき、わたしたちはその人を「知っている」というのでしょう。
羊たちは、ただ単に、自分の羊飼いの声かどうかを聞き分けているのではないと先生は思っています。その声の響きを羊たちは聴き分けて、本当に自分の羊飼いかどうか、判断していると思うのです。
「今日も元気に一緒に一日を過ごそうね、大切な私の羊、おはよう」という自分の羊飼いの温かい声の響きと、「ほら、誰かに見つかる前に早く来い、どうしてすぐに来ない」という命令や苛立ちの込められた、羊を盗もうとする人や羊を物のように冷たく扱う人の冷たい声の響きとを、羊は聴き分けるのです。
言葉は心にある思いを響かせます。羊は羊飼いの温かい声の響きを知っているのです。羊飼いが、自分達を危険から守り、元気に一日を過ごせるように、豊かに草が生える場所へ導いてくれる人だと、知っているのです。
羊は、羊飼いが自分達一匹一匹のことを心から大切にしてくれていることを知っていて、羊飼いも一匹一匹の羊のことをよく知っている、そんな深い絆、繋がりが羊飼いと羊の間にあるから、羊は羊飼いの声に聴き従って、ついていくのでしょう。
イエス様は「よい羊飼い」です。わたしたち一人ひとりのことをよくご存じです。では、わたしたちは、イエス様の声を知っているでしょうか。イエス様の言葉から響いてくるイエス様の思いを、きちんと受け取っているでしょうか。
イエス様の声と、ほかの声を聴き分けることができる、良い羊になりたいですね。そして、イエス様の声に聴き従い、イエス様について行く人になれたら、どんなに嬉しいでしょう。
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