田園調布雙葉学園カトリックセンター「愛の泉」
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けさのみことば ~こどもとともに~2023.02.21


2023.02.21
「新しい おきてを あたえる」
       あなたがたに新しい掟を与える。

(ヨハネ 13・34)


 明日の水曜日は、灰の水曜日。この日から、教会の暦では四旬節に入ります。イエス様の十字架の苦しみを思い起こし、自分の至らなさを認め、自分にとって都合のいいことばかりに心を向けるのではなく、神様や周りの人々に心を向けるときです。
イエス様は、ご自分が十字架につけられてお亡くなりになる前に、お別れの言葉を弟子達に残しました。今日、読まれた、「み言葉」もその一つです。
 「おきて」というのは、誰もが守らなければいけない規則、きまりのことです。ユダヤの国には、律法と呼ばれる、それは、それは、たくさんのきまりがありました。安息日(ビ:フランシスコ会訳ではジツ)と呼ばれる日には、働いてはいけませんし、火を使ってもいけません。いまでも、ユダヤの人の中には、電気器具を火と同じとみなし、使わない人もいます。ユダヤの人々はみんな、そのきまりをよく守らなければいけませんでした。なぜなら、そのきまり、律法は人々を裁くものではなく、一人ひとりが幸せに生きていかれるように、神様がわたしたちを導くためのものだったからです。ヘブライ語で「律法」は「トーラー」と言います。この言葉は、本来、「導き」という意味を持つものなのです。けれども、イエス様の時代、ユダヤの人は、律法をただ形だけ守っていれば、自分は正しい人、偉い人だと傲慢な気持ちになり、周りの人を裁き、差別し、罰を与えたりしていました。
 そんな人々の様子を見て、イエス様は、たくさんの細かいきまりがあるのに、もう一つ、きまりをあげようとおっしゃいます。けれでも、それは、今までのように、「あれをしてはいけない、これをしてはいけない」というきまり、おきてではなく、「お互いに愛し合いなさい」という、それまでのおきてとは、まったく違うおきてでした。だから、イエス様は、「新しいおきて」とおっしゃったのでしょう。
 イエス様は、
「どんなにたくさんのおきてを守っても、冷たい心、威張った心、意地悪な心でするなら、何の意味もありませんよ。一番大事なことは、お互いにあたたかい、優しい心で相手を大切にすることですよ。これがみんなにあげたい新しいおきてです。」
と、おっしゃいました。
 イエス様は、このおきてを一番大切になさいました。いつも人々を心から愛し、馬小屋で産まれてから、十字架の上でお亡くなりになるまで、ずっとわたしたちを愛してくださいました。そして、今も、これからもこのイエス様の愛は変わりません。
 でも、イエス様はこれだけ深くわたしたちを愛してくださったいるのに、わたしたちにご自分を愛し返せとはおっしゃいません。「わたしが愛したように、お互いに愛し合いなさい」とおっしゃいます。そして、それを一番大事なおきてとなさいます。
 小学校の生活にも規則がいろいろありますね。規則、お約束を守ることはとてもいいことですし、守らなければいけません。でも、一番素晴らしい規則は、イエス様が教えてくださった「人を愛する」ことです。「あたたかい心で人を大切にする」ことです。私たちの目標にも「心の温かい子ども」とありますね。同じことです。
 イエス様が最後に私たちに与えてくださった、「新しいおきて」を忘れないようにしましょう。


けさのみことば ~こどもとともに~

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