けさのみことば ~こどもとともに~2023.9.12
2023.9.12
「天の国は一粒のからし種に似ている」
(マタイ 13章31節)
「イエス様、天の国とはどういうところですか。」と、ある人がイエス様に尋ねると、イエス様は、「そうだね、小さな、小さな、からし種のようなものかな。」とお答えになりました。
からし種は、種の中でも、とても小さいものの一つです。けれども、畑に蒔くと少しずつ成長し、大きな木になります。
天の国は、神様の国。だから、ユダヤの国を支配していたローマという大きな国から自分たちを解放してくれる、大きな力を持った国だと思っている人がたくさんいました。しかし、イエス様の周りに集まった人たちは、権力者やお金持ち、武力を持った人たちではありませんでした。ユダヤの社会で見れば、ものすごく立派というわけでもなく、大きな力も権力もない小さな人々だったのです。イエス様はこの小さな人々の中に、神様の国の始まりを感じていたのです。
天の国というのは、みんなが神様のお望みに従って、神様がお喜びになることをしているところ。自分の強さを弱い人を押さえつけることで示したり、力を持った人が自分の思い通りに何でもしてしまうようなところではないのです。みんなが心を合わせて、お互いを大切にして。助け合っているところです。
イエス様は、、誰か、ものすごく強い人が「天の国をつくれ」と命令することで、天の国ができるのではないことをご存知だったのです。力によって支配されている国は、差別や断絶、争いごとを生み出します。
「自分は小さく、力もない者だけれども、イエス様の教えに従って、自分のできることを一生懸命やってみよう」、そういう人が、誰も見ていないところでも、小さな小さな善いことをして、少しずつ、少しずつ、親切の輪を広げていくと、まわりの人も気がついて、いつの間にか、みんなが幸せになっている。天の国は、そのように小さいことから成長していくものですよと、イエス様は教えてくださっているのでしょう。
力がなくても、ものすごく立派ではなくても、小さな親切から始まっていくのであれば、皆さんのクラスも、天の国となっていくことは可能でしょう。
皆さんは、「からし種」の木を、どこかで見たことはありませんか。そうです。小学校の野草園にあります。あの木も、最初は、一ミリの半分もないくらいの、息を吹きかければ飛んで行ってしまうくらい小さな種でした。イエス様が住んでいらっしゃったパレスチナ地方には、たくさんのからし種の木がありました。イエス様は小さな種が大きな木になるように、小さくて弱弱しい人々の集まりが、社会全体を神様の国、天の国に変えていくことをご存知だったのです。戦争の被害や災害を前に、わたしたちは何もできないと希望を失ってしまうことがあります。大きな力ある人にすがりたくなります。けれども、イエス様は、小さな人々の小さな親切や善い行いが決して無駄なことではなく、神様を信頼している、そういう人々の努力こそが、世界を変えていくのだよと、わたしたちに教え、勇気づけてくださっているのです。
皆さん一人ひとりは、わたしたちの世界を神様の国に変えていくことができる、神様の大切な子どもであることを、忘れないでいてくださいね。
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