理事長メッセージ
田園調布雙葉学園 理事長
南部 浩士
田園調布雙葉学園は、1941年に開校したカトリックの女子校で、設立母体はカトリックの女子修道会である「幼きイエス会」です。
「幼きイエス会」は、1666年、ミニム会司祭である二コラ・バレ神父によってフランスで創設された修道会で、1872年(明治5年)、まだキリスト教禁令の高札が立っている日本に上陸し、日本に新しい教育の息吹を吹き込み、本学園以外に、横浜、静岡、四谷、福岡に学校を創立しました。
「幼きイエス会」の教育が目指すものは、神に愛され生かされていることを知り、独自性、相互性、自由性を生きる人間へと成長し、よりよい世界を作るために働けるものとなることを手助けすることです。
本学園は、この教育が目指すものに向かって「ともに歩む学校」であると私は考えています。
一人ひとりとの子どもとともに歩む
中学校・高等学校での入試は行わず、同じメンバーで長い年月を過ごす一貫教育によって、一人ひとりの子ども達に寄り添い、それぞれの成長の「とき」を待ち、教職員が子どもとともに歩んでいくことができます。
多様な仲間とともに歩む
賜物も年齢も違う多様な友だちとともに歩む、日々の関わりの積み重ねと様々な行事の共通体験によって、子どもたちは個々の違いを受け入れ、それぞれの良さを生かし協働することができるようになり、深い絆が生まれていきます。
大いなるものに包まれて、ともに歩む
日々の祈りや宗教的活動によって醸し出される学園を包むあたたかい空気は、子ども達に、自分が唯一無二の愛されている者であることを知るよすが
となります。そして大いなるものに包まれともに歩んでいることを感じ、心の静けさを保つ祈りとともに歩める者としていきます。学園を巣立ったあとも、長きにわたり培われた目には見えないものを感じ祈る心は、他者と比較することなくありのままの自分とともに力強く歩める大きな助けとなり、自分の賜物を差し出し他者とともにより良い世界を作るために働く者へと導いてくれます。
変わりゆく社会とともに歩む
変わりゆく社会とともに歩めるように、世界の現状、課題、様々な人々に目を向け、できることを考え、体験・活動できる時と場を学齢に合わせて設けています。「また、デジタル化、グローバル化が進む社会に必要とされる知識・技能を、長い一貫教育の流れのなかで必要なことを必要な時に取捨選択しながら、育成してまいります。しかし、それらがあくまでも道具であることを忘れず、教育の目指すところを見失わないように歩んでまいります」
ともに育て、ともに育つ歩み
私は、本学園を「教育について志を同じくする人たちの共同体」と考えています。ですから、家庭と学校が協力して子どもを育てる協育(手を携えて育てるためにともに歩む)と、子どもを取り巻くすべての人々が子どもの成長と共に自らも成長する共育(ともに歩み育つ)を大切に、保護者対象の様々な活動を行っています。
また、学園を卒業後も、同窓会のみならず、同窓生による自発的な活動を支援し、卒業生の保護者の方々も参画できる組織が作られています。
関わりのあるすべての方々が、学園を母港とし立ち戻ることができ、ともに歩み続けることができるように、地域の方々とのつながりも大切に、さらに開かれた学園となるように努めてまいります。