けさのみことば ~こどもとともに~2024.2.13
2024.2.13
「右の手のすることを」
「右の手のすることを左に手には知らせてはならない」(マタイ6章3節)
ある日、イエス様は弟子たちにおっしゃいました。
「いいかい、右の手で誰かによいことをするときには、そのことを左手にはわからないようにするんだよ。左の手にもわからないようにすれば、他の人から注目されることもないからね。」
弟子たちは、「イエス様は時々不思議な事をおっしゃる。右の手も左の手もわたしの手。だから右の手がすることを左の手に知られないようにするなんて、できないよなぁ。いったいどういうことなのだろう。それに、いいことをしたら褒められたいし、皆が認めてくれたら嬉しいのになあ。何でイエス様はこんなことをおっしゃったのだろう。」弟子たちは色々と考えました。そして、イエス様がこの話の後に、「隠れたことを見ている父が、あなたに報いてくださる」ともおっしゃったことを思い出しました。
「そうか、誰かに見てもらうためにすることは、誰かのためにいいことを行っているようで、自分のためにしていることと同じなんだ。だから、思った通りの評価をもらえないと、悲しんだり、がっかりしたり。そして、いいことをするは無駄なことだと思ってしまったり。周りの人がしていることと自分がしていることを比べて、自分はダメだと思ってしまうこともある。でも、神様がわたしたちを大切に思っていてくださるように、わたしにも誰かを大切に思う心が確かにある。その心を、誰が見ていてくれるか、どう見られるか、そんなことは考えないで、思う通りに素直に単純に行えばいいんだ。イエス様がおっしゃったように、神様は必ず見ていてくださる。そして、喜んでくださる。だって、目には見えない神様の行いも、わたしたちには分からないことのほうが多いけれど、それでも神様はたくさんのお恵みをわたしたちに与えてくださっている。わたしたちも神様にならって、人を大切にする心をそのまま行いにすれば、どんなことでも、きっと神様は喜んでくださるはずだ。」
弟子たちはそんなふうに思い直したのでしょう。イエス様がしてくださったこのお話を、「右の手のすることを」という不思議な言葉とともにずっと忘れずにいたのです。
誰かに認められるためだけに、良い評価をもらうためだけに、心にもないことを行うことは苦しいことです。そして、いつも誰かと自分を比べて無理をしていると、喜んで生きられなくなります。本当の自分でなくなってしまいます。もちろん、好き勝手をして誰かを傷つけることはよくありません。でも、イエス様は、わたしたちに、「そんなに無理をしなくてもいいよ、誰かの目を気にしなくてもいいよ。あなたはあなたでいいんだよ。だってあなたの中には人を大切に思う心が必ずあるからね。そして、そんなあなたを神様は必ず見ていてくださるからね」と教えてくださったのでしょう。
誰かを大切にする心を、誰かのためによいと思うことを、単純に、シンプルに、自分自身も意識しないで、すっと行えたら嬉しいですね。
けさのみことば ~こどもとともに~
- 2024.11.12「平和をつくる人は幸い」
- 2024.10.22「実を結ばない枝は切り取られる」
- 2024.9.24「わたしはぶどうの木」
- 2024.9.10「自分のために宝を貯えても、神の前に宝を貯えない者は・・」
- 2024.7.2「わたしはいのちのパンである」
- 2024.6.18「わたしを愛するならば」
- 2024.6.4「どんなことがあってもいつも平和」
- 2024.5.21「わたしはまたもどってくる」
- 2024.5.7「恵みあふれる聖マリア」
- 2024.4.16「心の清い人はさいわい。その人は神を見るでしょう」
- 2024.2.27「わたしたちも人をゆるします」
- 2024.2.13「右の手のすることを」
- 2024.1.30「いったい、この人は誰だろう」
- 2024.1.16「ほかの道を通って帰った」
- 2023.12.12「かいばおけに寝かせた」
- 2023.11.28「主の道をととのえよ」
- 2023.11.14「何回まで人をゆるせばよいですか」
- 2023.10.31「天の国ではだれが一番えらいのですか」
- 2023.10.10「天の国は真珠を探す人に似ている」
- 2023.9.26「天の国はパン種に似ている」
- 2023.9.12「天の国は一粒のからし種に似ている」
- 2023.7.4「かわく者がいれば」
- 2023.6.20「日ごとの糧を今日もお与えください」
- 2023.6.9「砂の上に家を建てる」
- 2023.5.23「小さな者にあらわしてくださった」
- 2023.5.9「求めなさい さがしなさい 叩きなさい」
- 2023.4.18「ガリラヤで待っている」
- 2023.4.10「さあ、来て、朝の食事をしなさい」
- 2023.4.7「父よ、彼らをお許しください」
- 2023.3.7「その悲しみはよろこびにかわる」
- 2023.2.21「新しい おきてを あたえる」
- 2023.2.6「狭い門から入りなさい」
- 2023.1.24「わたしは光として世に来た」
- 2023.1.10「幼な子は成長し」
- 2022.12.13「宿屋には、場所がなかった」
- 2022.11.29「わたしのたましいは 主をあがめ」
- 2022.11.15「幼な子たちを抱きあげて」
- 2022.10.18「羊のためにいのちを捨てる」
- 2022.10.4「羊は羊飼いの声を知っている」
- 2022.9.13「わたしはよい羊飼い」
- 2022.7.5「主よ わたしたちの目を開けてください」
- 2022.6.6「(時は満ち、)神の国が近づいた。(悔い改めて福音を信じなさい)」
- 2022.5.31「わたしは世の終わりまで共にいる」
- 2022.5.10「入口に大きな石を・・・」
- 2022.4.19「あなたたちに 平安があるように」