田園調布雙葉学園カトリックセンター「愛の泉」
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けさのみことば ~こどもとともに~2022.12.13


2022.12.13
「宿屋には、場所がなかった」

宿屋には、彼らのために場所がなかったからである
(ルカ 2・7)


 宿屋がなかったのは誰か、皆さんはもう知っていますね。
 そうです、ヨセフ様とマリア様です。ヨセフ様とマリア様は、イエス様ご誕生のために、どこかに泊めてもらいたかったのに、宿屋はいっぱいで、泊まる場所がなかったのです。
 今、世界を見てみると、戦争や貧しさから、自分の国にいられなくなった人がたくさんいます。マリア様とヨセフ様のように、泊まる場所がない人々です。 
 先生はこの聖書の箇所を読むたびに、ある男の子のお話を思い出します。
 幼稚園でクリスマスの聖劇を見ていた小さな男の子は、マリア様とヨセフ様が何度も何度も、宿屋の主人に断られる姿を見て、突然、涙声で「ヨセフ様、マリア様、僕のうちに泊まってよ」と叫びます。その男の子は小さかったので、劇なのか、本当に起こっていることなのか、分からなくなったのかもしれません。泊まるところがないマリア様とヨセフ様が本当にかわいそうで仕方なかったのでしょう。だから、「何とかしてあげたい」という心の底からの思いが爆発して、「僕のうちに」と叫んだのです。劇を台無しにしたと、この男の子を叱る人は誰もいませんでした。それどころか、そこにいた人たちみんなが、あたたかい気持ちになったのです。そして、イエス様がどうして馬小屋でお生まれになったのか、分かった気がしました。
 男の子の「何とかしてあげたい」という心の底からの叫びは、劇を見ていた人たちの心に響きます。そして、誰もが自分の中に同じ思いがあることに気がついたのです。皆さんの心にも、きっと同じ思いがあるでしょう。マリア様やヨセフ様と同じような苦しみを受けている人たちを、「何とかしてあげたい」と思う気持ちが、今集めているお米やクリスマス献金に込められているのを先生は知っています。
 神様もきっと同じ思いです。貧しくて食べる物も安心できる自分の居場所もない人々、みんなに拒絶され悲しい思いをしている人々、自分も周りの人も信じられず大切にできない苦しみの中にある人々、そんな人々を「何とかしてあげたい」と、神様はイエス様を遣わしてくださったのです。
 もし、イエス様が立派な宿屋の豪華なお部屋で生まれていたら、貧しい羊飼い達はイエス様に会うことはできなかったでしょう。けれども、神様は、羊飼い達を、イエス様のもとに最初に招きます。羊飼い達は神様のその思いにふれて、大きな喜びに満たされます。そして、同じような苦しみの中にある人々に、この神様の思いを告げ知らせるのです。
 待降節のこの時期、街はイルミネーションがきれいに耀き、心がウキウキするような音楽が流れています、クリスマスカラーのたくさんの商品がお店にはあふれ、レストランにはご馳走が並びます。
 けれども、最初のクリスマスは、イルミネーションも、にぎやかな音楽も、ご馳走もありません。
 静かな、静かな夜。粗末な馬小屋の飼い葉桶の中で寝ているイエス様。
 そこには、マリア様とヨゼフ様のあたたかな眼差しがあります。何も出来ない赤ちゃんのイエス様を優しく包む手があります。生まれたばかりの赤ちゃんの命の輝きと羊飼い達の喜びに満ちた笑顔があります。静かな、平和で、穏やかな空気に、温かい光に、馬小屋は包まれていたことでしょう。 
 本当のクリスマスを知っているわたしたちです。大騒ぎをするのではなく、穏やかに、心静かに、クリスマスの準備をいたしましょう。
 そして、「何とかしてあげたい」という神様の思い、わたしたちのうちにある思いを、周りの人々に告げ知らせることができたら、嬉しいですね。
 皆さん、どうぞ、よいクリスマスを。


けさのみことば ~こどもとともに~

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