ガリラヤ修道院のシスター方 インタビュー 第4回
シスター方のインタビューを紹介いたします。
インタビュー 第4回 「お薦めの本」
シスター方から今を生きる私達へのお薦めの本をご紹介頂きました。お心に留まったものがあれば是非お読みになってみて下さい。シスター谷本
1冊目 「ラウダート・シ」 著者 教皇フランシスコ
内容
2015年5月にフランシスコ教皇によって発表された回勅「ともに暮らす家を大切に」ですが,これはカトリックの世界を越えて環境問題を中心にそれと密接に結びつく、貧困,政治,経済,文化,ライフスタイルなどについて考察をしたものです。教皇フランシスコは,私達の共通の家である地球の叫びに耳を傾け,責任を持ってその自然の美しさと全ての命を守るために方向を変えて行くように呼びかけておられます
是非。一度お読みになって頂きたい一冊です。
2冊目 「二人の自分」 著者 イシドロ・リバス 発行 女子パウロ会
内容
自分の中には二人の自分,二つの顔があります。調子の良い自分と悪い自分。美しい自分と醜い自分。愛したい自分と自己中心の自分。この不信,不安,空虚の中に生きている自分を救い,強めようとする不思議な力がある事を感じること。暗闇の中で,模索している自分を導く光,勇気と愛へと招く力があることに気付かせてくれます。
3冊目 「世界を敵に回しても」著 龍野隆浩 毎日新聞出版
内容
ダイヤモンド・プリンセス号の真実 命のために闘う。
乗客乗員3711人を乗せた大型クルーズ船内で起きた集団感染事件は,世界中の注目を集め,政府は総力を挙げて対応した。然し,対策は後手となり,700人を超す陽性感染者が出て、搬送先の病院で13人が亡くなりました。この本を通して,命の為に闘う集団、DMATの存在を知りました。この本で知った事は,物事は多角的な視点、角度から見る必要があり思い込みで判断してはならないこと,人の話をよく聴き,意見を集め,独断専行しない事。感染拡大の大きな波に国民は今も苦しみ続けています。そういう意味で事件はまだ終わってないと言えるのではないでしょうか。事の発端,真実を識る事は,全体を理解する上でとても重要な事ではないかと思います
その他
① 優しさの贈り物 著者 片柳 弘史
② 心の深呼吸 著者 片柳 弘史
③ 日々に寄り添う言葉 著者 片柳 弘史
シスター高岡
一冊目 「ぼくは 君たちを 憎まない ことにした」 アントワーヌ・レリス著 土居 佳代子訳 ポプラ社
2015年11月13日の夜,パリで同時多発テロが起き,130人が犠牲になりました。その中で妻を失った映画ジャーナリストのアントワーヌ・レリスさんは、1歳5か月の息子を抱いて深い悲しみの淵から「ぼくは、君たちに憎しみを贈ることはしない」と、テロリストに向けて、手紙を綴り、世界中に反響が広がりました。この本には、事件が起きてから2週間の日誌が綴られています。どうにもならない悲しみと苦しみの内に、最愛の人の死と深く向き合うことによって、憎しみの淵を超えて、許しへと至る姿に人間の気高さと愛を感じる本だと思います
2冊目 「よろこびの森」 著者 Piigta(ピグタ) 未来パブリッシング発行
この絵本は、第5回絵本出版賞激励賞を受賞しました。タイツを履いたおしゃれな猫、テイグラとダイナの温かい友情のお話しです。目には見えない心の繋がりを、見事に表現していると思います。幼児にはまだ難しいかと思いますけれど、小学生には読めると思います。大人の方にもお薦めしたい絵本です。
3冊目 絵本 「ことばのかたち」 著者 おーなり由子 講談社
ことばのかたち? 「ことばのかたち」とはどういうかたちを言うのだろうと思って手にした絵本です。
「まいにち消えていく 話しことばの むこうの こころのかたちを さがす 」
幼児にはまだ難しいですけれど、とても味わい深い絵本です。
シスター奥井
1冊目 「人間としての哲学」 著者 ガエタノ・コンブリ マガジン・ハウス
カトリック系中学高校で16年間校長を務めたイタリア人の神父様が書かれたもので、人としての在り方、生き方を考える「生きる智恵」が詰まった本です。日本に長く住んでいらした神父様は、日本人には哲学的な思考が足りないと、哲学的思考とはどういう事なのかを分かり易く教えて下さっています。子育てのさなかの保護者の方々にもとても学びとなる1冊であり是非一読なさる事をお薦めします。
2冊目 「人生を支え、老いを照らす光」 著者 森一弘 女子パウロ会
同じ時代を修道者として生きて来た森元司教様による著作です。歳を重ね、心身共に衰えてきた今、この本が私の心の支えとなり老いを照らす光となっています。
3冊目 「 聖書 」
聖書は旧約聖書と新約聖書によって成り立っていますけれど、旧約聖書、創世記の冒頭に、初めに神は天地を創造された。と書かれていて、神は何もない闇の中に「光あれ」と言う神の言葉によって光を創造された事が描かれています。又新約聖書のヨハネによる福音書の冒頭には、初めに言葉があった。言葉は神と共にあった。言葉は神であった。万物は、言葉によって成った。成ったもので、言葉によらずに成ったものは何一つなかった。言葉の内に命があった。命は人間を照らす光であった。光は暗闇の中で輝いている。暗闇は光を理解しなかった。と書かれています。イエス・キリストの事を「御言葉」と言われのはこれが所以なわけですが、難しいですけれどこの意味を理解する事に努めながら神の言葉によって書かれている聖書をじっくりと読み、味わっていく事は,必ずや人生の助けになることと思います。
私が個人的に一番影響を受けたのは、マリア様のお告げの場面です。(ルカの福音書1章38節 わたしは主のはしためです。お言葉どおりこの身になりますように)
私自身の生き方と人生の全てはこの場面のマリア様の生き様に倣うものでした。
マリア様のように「なれかし」「全ては神様の思し召しのままに」と言えれば、又その様な想いに至れれば本当の幸せに至れるのだと思うのですが、未熟な私には自我があって、どうしても自分の望みが叶ってほしいと言う想いが捨て切れないところがあります。私達の思惑ではなく、神様の御旨を思い巡らしてその想いに応えて行く生き方がある事。そしてそんな生き方こそが真の幸いを齎してくれる事を聖書は教えてくれています。是非その事に心を留めて頂き、その意味を黙想しながら理解を深めて頂ければ幸いです。
年を重ねると段々と自分が弱くなって行く現実と向き合わなくてはなりません。今、一番強く祈っている事は私の内に在る聖霊が行くべき道を教えて下さることです。イエス様が十字架に向かわれる前に「私が去って行くことはあなた方にとって益なのです。それはもし私が去っていかなければ助け主があなたがたのところに来ないからです。しかしもし行けば私は助け主をあなた方のところに遣わします。」(ヨハネによる福音書16章7節)
助け主とは聖霊の事です。創設者のニコラ・バレ神父様は聖霊への全き委託が最も重要であると述べておられます。
聖霊がいつもあなたと共にいてあなたを導いている事に信頼して、祈りを通して聖霊に聴き従えば必ずや神様が行くべき道を示して下さることを聖書は教えてくれています。
その様な視点からも是非聖書を味わってみて下さい。
シスター篠崎
1冊目 [ 君へ そして君のお母さんへ ―教育と家庭の絆― ] 著者 西 経一 サンパウロ
神言会の司祭でいらっしゃり、長崎南山中学校高等学校の校長をなさっていた西 経一神父様の書かれた男子中高生と、お母様方に宛てた手紙です。子育てや教育について、又家庭について等、示唆に富み、学ぶ事の多い、愛ある一冊です。子育て中の方に是非お薦めしたい内容です。
2冊目 「聖書を味わう」 著者 高橋 重幸 オリエンス宗教研究所
北海道のトラピスト会司祭の神父様が書かれた聖書エッセイです。聖書を味わうために御言葉と祈りが,座る、立つ、歩くと言った人間の基本的な動作を通して聖書が人間と神についてどう語っているかを考察している本です。とても読みやすくお薦めします。
3冊目 「こころの深呼吸」 著者 片柳弘史 教文館
日めくりの様になっていて、毎日の心の支えになっていく本です。
4冊目 「心ってどこにあるのでしょう」 著者 こんのひとみ 絵 いもとようこ 金の星社
優しい絵と、暖かい言葉の絵本です。読み聞かをしながら、親子の暖かい心のふれあいの一助にして頂きたい一冊です。
ガリラヤ修道院のシスター方
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